
name
-
台中海洋館
infomation
-
台湾 台中市 2025年
Summary
-
台中の川と湿地から海へ──“水の循環”を体験できる新しい水族館が誕生しました。MMDは企画構想から設計・展示・監修までを一貫して担当し、地域の自然を“観光資源”として再編集。環境教育、観光、まちづくりの可能性を同時に提示する、“次世代型ミュージアム”のモデルとして設計しました。
プロジェクト概要
所在地:台湾・台中市
用途:観光水族館 / 湿地再現エリアを含む複合展示施設
コンセプト:川から海への水の旅・生態系の循環を体験する環境/観光施設
特記:湿地の満ち引き再現、希少珊瑚多数展示、水循環システム設計
背景・目的
台中は川や湿地などの豊かな自然環境に恵まれた地域です。一方で、その魅力が日常の風景の一部として埋もれてしまい、十分に可視化されていないという課題がありました。台中海洋館では、この地域固有の自然を「展示する対象」として切り離すのではなく、川・湿地・海へと続くつながりそのものを体験として感じられる場へと再編集することを目指しました。従来の「水槽越しに魚を見る」水族館ではなく、来館者が自分自身も水の大きな循環のなかにいることを感じられる施設とすることで、環境への関心や地域への愛着につなげることを意図しています。
また、環境教育・観光振興・都市ブランドの向上といった複数の目的を同時に満たす公共性の高い施設として、台中市の新たなランドマークとなることを期待されています。
コンセプト
台中海洋館では、「水の旅」という一本のストーリーを軸に、展示・建築・光・音を組み合わせて空間を構成しています。淡水域からはじまり、川の上流・中流・下流、湿地、沿岸域、外洋、深海、そしてクラゲの世界へ。館内を巡ること自体が、水の循環と生き物たちの営みを追体験する「旅」になるように計画しました。さらに、人と魚の関係を「見る側/見られる側」という一方向の構図から、一緒に同じ環境を共有する関係へと再定義することを目指しています。視線の高さや水槽の配置、光の扱い方を通じて、来館者が魚たちと同じスケール感のなかに入り込んでいくような体験をつくっています。台中の自然環境というローカルな文脈と、世界の水族館・研究機関との協力によるグローバルなネットワーク、そしてMMDの体験設計・水循環システムの知見を掛け合わせることで、「地域の自然から世界の海へつながるミュージアム」をコンセプトとしました。
「水の旅 — 川から海、そして深海へ」:地域の自然を起点に、海洋へのつながり、生命の循環を体感。
「人と魚の関係を再定義する」:鑑賞者が“魚と同じ目線”で海の世界を体験。
「水循環・生態系の理解と体験」:湿地の満ち引き、珊瑚の多様性、海の生き物たちの奥行きなどを通じて、自然の循環と多様性を感じる。
「教育 × 商業 × 地域価値の融合」:研究施設的要素、展示、観光、地域資源の活用を一体化。
デザイン/企画のポイント
SCAPEデザインによる空間統合:建築、展示、水、光、動線を一体化した没入体験。
空間導入としての「入口トンネル」:訪問者を“水中世界への旅のはじまり”に誘う演出。
水の循環に沿った水景・展示構成:川 → 湿地 → 海 → 深海/クラゲ → 岩礁 → 白海豚など、生態系の広がりを物語化。
湿地の“満ち引き”を再現するインタラクティブ展示(屋内で自然のリズムを体感可能) — 環境教育・体験重視。
希少珊瑚の集約展示:世界中の協力施設との連携による多様な珊瑚の保持と展示。
没入型映像/プロジェクション空間 + 実物水槽の併用:リアルと演出のバランスで、感動と学びを両立。
展示だけでなく、研究・飼育の裏側を見せる「ラボスケープ」:教育性と透明性の担保。
社会的価値・波及効果
地域自然資源の価値転換:台中の川や湿地など自然環境を観光資源として再編成。
環境教育施設としての役割:訪問者、とくに子どもや家族に自然の循環、生態、多様性を伝える場。
観光振興と地域活性化:国内外からの来訪を見込めるランドマーク施設。
多文化/国際協力の橋渡し:海外施設との珊瑚連携、水族館のノウハウ流通、国際展示の可能性。
持続可能な施設運営モデル:展示・教育・研究・観光を統合した、“次世代型ミュージアム”の提示。
MMDの役割と強み本プロジェクトでは、MMDとして企画・基本設計・展示設計・設計監修・デザイン監修を一貫して担当しました。CEOの加藤が大成建設在籍時代から培ってきた水族館の水循環システムや人工海水、再生システムに関する技術的知見は、台中海洋館の水景・展示構成にも活かされています。水環境設備と展示デザインの両面を理解したうえで計画できることにより、見せ方と維持管理の両立が求められる水族館プロジェクトにおいて、高い実現性を担保しています。また、地域の自然資源を読み解き、その土地ならではの体験へと翻訳する力、海外のクライアントや協力施設と連携しながら長期にわたるプロジェクトを推進するマネジメント力も、本プロジェクトで活かされたMMDの強みです。
企画から設計・展示・監修までをワンストップで提供できる統合力。
水循環・水族館特殊設備の知見と技術力(LSS含む)を背景に持つ。
地域資源のリデザイン力 — 既存の自然環境/風土を “価値ある観光資産” に変える提案力。
国際的な調整力と実行力 — 海外協力施設との交渉、維持管理、展示の実現ノウハウ。
メッセージ
台中海洋館のプロジェクトは、自然を再編集することで、地域に新たな価値をもたらす“場”をつくる挑戦でした。MMDは、企画から設計・展示・監修までを一貫して担うことで、単なる水族館ではなく、教育・観光・地域振興を包括する“次世代型ミュージアム”を実現します。もし、あなたの地域に眠る自然や風土を活かした施設づくりを考えているなら、ぜひ私たちにご相談ください。名称:台中海洋館(Taichung Aquarium)
クライアント:南仁湖育樂股份有限公司(NAN REN LAKE LEISURE AMUSEMENT CO., LTD.)
企画:MMD株式会社
設計:MMD株式会社、株式会社UDS
展示設計:MMD株式会社、株式会社UDS
監修:MMD株式会社
LSSコンサルティング:MMD株式会社
images
location
team
-
加藤 尚⾏